総合リハビリテーション部研修プログラム
総合リハビリテーション部研修プログラム
岡山大学病院は日本リハビリテーション医学会研修施設に認定されています。リハビリテーション医に必要な知識・技術を身に付け、日本リハビリテーション医学会専門医を取得できるように研修を行います。専門医受験資格では、3年間の研修施設での研修が義務付けられています。基本的に3年間を研修の期間とします。3年間という期間については、岡山大学病院だけとは限らず、岡山大学整形外科関連病院のうち、日本リハビリテーション医学会研修施設に認定されている施設でも研修は可能です。具体的には、吉備高原医療リハビリテーションセンターや岡山労災病院、旭川療育園などです。
岡山大学病院総合リハビリテーション部で研修を受けたいと希望されますと、岡山大学整形外科へ入局していただく必要があります。リハビリテーション医学を専門に研修する形式で行ないます。希望される地域、内容はできるだけ考慮させていただきます。以下に研修内容を記載します。
研修内容
1.リハビリテーション医学の基礎知識
概論、機能解剖・生理学、運動学、障害学、診断・評価、治療など基礎知識を習得します。なかでも、リハビリテーション医学で重要な評価法や理学療法、作業療法、装具療法、言語療法などの治療法に対する理解を深め、チーム医療を理解します。
2.リハビリテーション医学に必要な検査手技の習得
筋電図検査、重心動揺測定、筋力測定(Cybex、徒手筋力測定、力量計)、STEF、Up and go test、VF、VEなど臨床に直結した検査が自分でできることが目標です。できるだけ患者に対し、指導医の指導のもと、実際に施行していただきます。
3.リハビリテーション対象疾患の理解
脳血管障害、外傷性脳損傷、脊髄損傷、関節リウマチ、骨関節疾患、脳性麻痺、神経・筋疾患、切断、呼吸器疾患、循環器疾患、悪性腫瘍などのその他、疾患に対する知識を習得します。
4.リハビリテーション対象疾患に対する処方
リハビリテーション医学的な診断、評価を行なった上で、理学療法、作業療法、言語療法、装具療法の処方を行ないます。疾患に対する適応、禁忌を理解し、適切な処方を習得します。知識があると指導医が判断しますと、実際に診断・評価・処方をしていただきます。
5.社会制度・社会資源の理解と活用
身体障害者手帳の交付、等級に応じたサービス内容の理解、義肢装具の給付システムの理解、各種年金制度の知識など知っておくべき内容を習得します。
6.資格の取得
リハビリテーション医として自立し高い評価を得るためには、日本リハビリテーション医学会専門医を取得する必要があります。研修の最終目的は専門医取得にあり、3年間の研修施設での研修を終え、学会発表、論文などの受験資格をクリアしますと受験できます。岡山大学での研修を終えた時点で十分専門医になる知識・技術は身に付いているはずです。
岡山大学は、全国の国立大学の中でもリハビリテーション専門医の数は大変多い大学です。中国四国を中心としてリハビリテーションを熱心に行っている病院は非常に多く、リハビリテーション専門医への要望も多くなってきました。高齢化社会が進行し、ますますリハビリテーション医がたくさん必要です。障害者や高齢者が、安心して自立した生活を送ることができ、幸福な生活ができるように、リハビリテーション医を志す医師がきていただけるようお願いします。